自分を変えるシエンプレがここにあります

special

投資銀行は、リスクを分散させるために、連結対象外であるSIVを積極的に設立し、CDOを販売させていた。

さらに、投資銀行自体もリターンを求めて他社が発行するサブプライムローン関連のCDOを購入していた。 オフバランスで取引できることが、投資銀行をしてSIVを設立させた最大の理由であろう。
取引を意図的に不透明にすることができるからである。 SIVは、資金運用に機動性をもたせるために金融当局から認可された「特別目的会社」の一種である。
世界で三○社ほどある。 資産は三○○○億ドル程度と推計されている。
オフバランスで投資できるのが最大のメリットである。 まず、ABCP(資産担保コマーシャル・ペーパー)を発行して短期資金を市場から調達する。
この短期資金をCPよりも少しだけ期間の長いRMBS(住宅ローン担保証券)やCDOに投資して利鞘を稼いでいたのである。 それら証券はさらに転売される。
アメリカのSIVの資産のうち、RMBSが二三%、CDOがニ%、CMBS(商業不動産担保証券)が六%であった(上記『金融レポート』)。 ところが、上述の第一段階、第二段階を経て、手持ちのCDOなどの証券がまったく売れなくなってしまった。

トリプルAのCDOで二五%ほど、ダブルAで五○%、シングルAで七○%、トリプルBで八○%も算定価格を引き下げても、それを購入する投資家が出てこなくなった。 最大の機能であるABCPを通じる短期資金調達がまったくできなくなってしまった。
ABCP市場が機能不全に陥ってしまったのである。 ここから金融市場は、システム危機に突入した。
オフバランス取引であるので、たとえ傘下のSIVの資産に損失が生じても、建前上は、投資銀行は、自己が出資した金額のみに責任をもてばいいだけであり、損失額のすべてを引き受ける必要はないはずであった。 そのために、特別目的会社としてSIVを設立していたのである。
ところが、実際には、そうはいかなかった。 多くの場合、投資銀行は、傘下のSIVが流動性危機に瀕したときには、流動性や信用を補完するという契約をSIVと結んでいるからである。
つまり、リスクを遮断する目的をもって設立したはずのSIVが、より大きなリスクとして親会社の投資銀行に跳ね返ってしまったのである。 Cグループの苦境はまさにここにあった。

最も成功をおさめているシエンプレに置いて、価格優先で機能面での優位性が縮小すれば、シエンプレのメーカーとの低価格競争に巻き込まれてしまう。